美味しいゴーヤの育て方と残留農薬の問題点

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ゴーヤは沖縄料理に欠かせない食材として知られている他、成長の早さから日除けの代わりであるグリーンカーテンとして栽培されることもあります。馴染み深い作物である一方、市場に出回っているゴーヤの残留農薬の数値に対する不安があることも事実です。

安全なゴーヤ料理を味わうためにも、ゴーヤの特徴や残量農薬の問題点について学びましょう。

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成長が早く多くの実を作る

ゴーヤはウリ科の植物であるツルレイシを意味する沖縄の方言です。日本本土ではニガウリと呼ばれていますが、これはゴーヤの実に特有の苦味があることに由来します。ゴーヤは無数の蔓を四方八方に伸ばして成長する一年草で、他の植物と比べると背丈が伸びるのが早い特徴があります。

この特徴を活かし、日差しを遮るグリーンカーテンとして使われることも少なくありません。アジアの熱帯地方が原産地なので高温多湿な環境を好みますが、品種改良によって気温が低い日本本土でも栽培ができるようになっています。

また、ゴーヤは強い日差しと高温、そして十分な水があれば肥料が少なくても背丈が伸び、たくさんの実を作ります。そのため、沖縄では古くから豊穣のシンボルとされていました。ゴーヤの栽培が盛んになった理由として病気や害虫に強い点が挙げられます。

他の野菜が枯れてしまう中でゴーヤだけが無傷だったというケースも少なくありません。寒さに弱い欠点を除けばどのような環境でも栽培するのが容易と言えます。すくすくと育ち、いくつもの実を作るゴーヤはガーデニングの初心者や多忙な人に最適な品種と言っても過言ではありません。

市販されているゴーヤの実は未成熟

ゴーヤと言えば無数のイボに覆われた、緑色の苦い野菜というイメージがあります。料理の食材として使われている緑色のゴーヤは未成熟な状態であり、種子を取ることができる完熟の状態になると淡いオレンジ色になり、特有の苦味も無くなります。

また、ゴーヤは弾力性に富む食感が大きな魅力ですが、これも未成熟な緑色の実だけの特徴です。完熟した実も食べることはできますが、一般的なイメージのゴーヤの食感とは大きく異なるので注意が必要です。栄養のほとんどが種子の形成に費やされている点も食材として不向きな理由のひとつです。

青々として強い弾力性を持つ大きなゴーヤを選ぶのが美味しい料理を作るための重要な条件になります。ゴーヤは

ゴーヤの育て方と残留農薬の問題

ゴーヤは日照時間と気温、水があれば育つので肥料も農薬も不要とされていますが、これはあくまでも個人の趣味で育てる場合の話です。市場に卸すことを目的とした栽培では限られた期間で必要な数の実を収穫しなければいけません。

ゴーヤは病気や害虫に強い植物ですが、それでも被害に遭う可能性はゼロではありません。少しでも病害虫被害のリスクを減らすために、ゴーヤの栽培には農薬が使われています。市場に流通している野菜や果物には残留農薬の問題が付きまといますが、ゴーヤについては元々が病害虫に強い植物なので、他の品種よりも使用する農薬の量が少ないのが現状です。

残留農薬も非常に少ないとされていますが、栽培地の環境で農薬の使用量が変わることを注意しなければいけません。残留農薬がどれほどの量であるかは見た目では分かりません。人体に影響はほとんど無いとされていますが、それでも人体に有害な成分が含まれている薬剤を散布された野菜や果物には不安を感じてしまうのも事実であり、それはゴーヤも例外ではありません。

独特の歯ごたえや苦味を心置きなく楽しむには残留農薬が存在しないことがもっとも望ましいことですが、農薬に関する正しい知識を持つことも忘れてはいけません。誤ったイメージに囚われず、現在の農業事情を把握することが安全な作物を見分けるための条件になります。

現在の農薬は少量なら人体への悪影響はほとんど無い

農薬は体に悪い劇薬というイメージがあります。害虫を退治したり雑草を枯れさせる効果があるので、人にも悪い影響をもたらすと危惧されています。実際に散布された農薬を吸引して体調不良に陥るケースは珍しくありません。

古い農薬には猛毒が含まれている物もありましたが、現在は農薬の含有成分については非常に厳しい規制が設けられています。野菜や果物の栽培を目的とした使い方を守れば、人への悪影響はほとんどありません。残留農薬についても同様であり、収穫直前に農薬を散布した場合でも店頭で販売されるまでに成分のほとんどが分解されます。

そのため、購入した野菜や果物を生のままで食べても農薬の成分で体の具合が悪くなる、ということはまず起きません。現在の農薬は長時間空気に触れていると成分が分解されるようになっています。収穫した作物に付着している農薬は卸市場で競り落とされ、小売店の店頭に並ぶまでにはその成分がほとんど無くなってしまうのです。

これはゴーヤも同様ですが、ゴーヤの場合は表面にある無数のイボの間に農薬の成分が入り込んでしまうことがあります。こうなると空気に触れる面積が狭くなり、分解が遅れてしまう可能性は否定できません。それでもゴーヤを大量に摂取しない限り、残留農薬によって体の具合が悪くなることはほぼあり得ません。

むしろゴーヤの食べ過ぎで消化不良を起こすことがあるので、お腹が空いている時でも満腹になるまで食べるのは避けるように注意します。

ゴーヤ料理は十分に火を通すのが安全に食べる秘訣

ゴーヤの歯ごたえと苦味を活かした料理は多く、特に沖縄の郷土料理はゴーヤが欠かせません。高品質のゴーヤを使えば美味しい料理が完成するのは間違いありませんが、その一方で方法を誤ると腹痛などの不具合に見舞われることがあります。

これはゴーヤの皮に有害な成分が含まれているためですが、この成分は熱に弱いのでゴーヤ料理を作る際は十分に加熱することを忘れてはいけません。他の多くの作物は熱を加えるとビタミンCが壊れてしまいますが、ゴーヤに含まれているビタミンCは熱に強いので栄養が損なわれる心配がありません。

ゴーヤを美味しく安全に食べるにはじっくりと熱を加えることが重要と言えます。ゴーヤ料理は特有の苦味を楽しめるのが魅力的な点ですが、ゴーヤの苦味は消化器官に強い刺激を与えます。小さい子供や高齢者には負担が大きいので、食べる際は少量に留めることが体調不良を防ぐための心得です。

また、病気で体力が低下している人や妊娠している人もゴーヤの食べ過ぎには注意することを心がけます。